徒然草生やす

徒然なるままに、日ぐらし、画面に向かいて

はじめてのホスト(2D) (noteから転載)

ごきげんよう、たやちゃんです。

この度、わたくしなんとホスト通いデビューを果たしたことをこの場を借りて報告させていただきたいと思います。

二次元(2D)で

画像1

 

「恋下統一 戦国ホスト」

 

要素を盛るな─────────

 

 

「恋下統一 戦国ホスト」ストーリー

業界No.1ホストクラブ「club恋下」。
友人の付き添いで恋下を訪れたあなた。
そこで待っていたのは源氏名として武将の名前を名乗る5人のイケメン過ぎるホスト。
私だけが特別扱いされる理由は…?
源氏名だと思っていた彼らは、タイムスリップして来た本物の戦国武将!?
「彼らは私を、知っていた…?」
私の前世と彼らの関係とは!!
「club恋下」を訪れたことによって、今、再び動き出す500年の時を越えた恋の歯車。
あなたは終わらない恋の戦国時代へ、飲み込まれてゆく。

「恋下統一 戦国ホスト」公式サイトより引用(http://www.renkatouitsu.jp/)

 

出会い

普段使っているめざましアプリの広告に出てきて以来ずっと私の頭をぐるぐると回り続けていたこのゲーム。
戦国武将とホスト、一見どころかどう見てもちぐはぐな組み合わせでよくゲームを作ろうと思ったな、などと興味を持ってしまっていた。それこそが運営側の狙いかもしれない。悔しい。
しかもユーザー同士でキャラの親愛度を競い合い、ランキング上位者にはオリジナルボイスがプレゼントされるという画期的なシステムが実装されているらしい。これでは本物のホストではないか。
金で殴りあい、金でものを言わす世界。
ここまでは私が普段からプレイしているソーシャルゲームとは何ら変わりもないが、「貴女のためだけのオリジナルボイス」という特典に惹かれてしまう。別に上位を狙うわけでもないが、二次元のキャラが自分の為だけに話してくれるのはかなりオタク心をくすぐる。そしてもうひとつ画期的なシステムがあることを知った。
リアルタイムでのチャットである。
要は、キャラクターと本当にチャットアプリで会話をするように自分の言葉を送り、相手からも返事が返ってくるということだ。

選択肢があらかじめ用意されているわけではなく、自分の言葉でキャラクターと話せる。

なんなんだこのゲームは。本当に二次元と三次元の区別がつかない可哀想な喪女製造機か?(失礼)
はー怖い怖い、近寄らんとこ。

そう思っていた。

 

思っていたのに。

 

 

 

何をとち狂ったかインストールしてしまった。

令和2年、初夏の話だ。

 

いざ出陣

元々面白半分でインストールしたため、粗さがしをしてツッコミながらプレイしていた。嫌な客である。

自分を夜の世界のNo.1であるということを誇示しようとしたり。

このゲームのメインディッシュであるチャット機能で徳川家康から返信がきただけでこのはしゃぎかたをしたり。さながら自分が発した言葉を真似するおもちゃに向かって「うんこ!!www」と放ち、「うわうんこって返ってきたwwwww」と喜ぶ小学生男子だ。
ちなみに勘の良い(というより私に近しい)読者はお気づきの通り、私はかなり猫を被って返信している。この私は「まだ恋を知らず、恋に恋しているちょっと箱入りなハタチのオトメ」である。かわいいね。

家康がずっと私(主人公)のことを想い続けていることは、チュートリアルのストーリーを読めば一目瞭然である。しかしここで敢えて「片想いの相手=自分ではない誰か」という体で話す。ちょっと鈍感な娘が可愛がられる世の中だ。(100%自論)

……………………いやまてガチの恋愛テクか!?

私が送ったメッセージに対して、ちゃんと返信が来る。ということは送った先には性別はさておき生身の人間がいるということだ。マッチングアプリと何ら変わらない。

ここから私は空虚感を覚え始める。
向こう側には「徳川家康」というキャラクターの皮を被って私と会話している誰かがいる。男か女か、20代か40代かもわからない。
一方の私も「まだ恋を知らず、恋に恋しているちょっと箱入りなハタチのオトメ」というキャラクターを演じている。
そして二人が実際に会うことはない。

空虚。虚無。無意味。

私は何をやっているのだろう。

 

 

 

 

 

もちろん暇つぶしのために決まってんじゃんね~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

性格の悪……ちょっと楽しいことを思いつくことができる私は「ちょっとマニアックめな日本史ネタ入れたら対応できんのかなうぷぷぷぷ」と、実際の徳川家康の史実を交えて送ってみることにした。だって家康ならわかるでしょ?笑

おわかりいただけただろうか。
とても生き生きしている。多分普段の目の輝きを10とするならば、このときの私は50くらいだったかもしれない。

 

たいして輝いてなかったわ。

 

ここで、思わぬ落とし穴に気付いてしまう。

面倒くさい上に忘れたので詳細は省くが、とりあえずこのタイムスリップをしてホストをしている戦国武将たちは私たちが今いる世界線の彼らではない…という設定だった。便利な設定使いやがって。
と思ったがこういう「別の世界線があるから~」という設定で生き延びている作品は割とよくある。マギレコしかり、MCUしかり。

話がそれた。

ここから怒涛の展開を迎える。
一行たりとも読み飛ばさず、刮目していただきたい。

 

そして別れ

 

 

出オチ────────────!!!

 

 

もう私は2日で飽きてしまっていた。
私は元々恋愛願望もなく、ただおもしろ半分でインストールしただけだ。あと結構盛り上がると思ってた初見実況キャスが1コメしか来なかったのが誤算中の誤算というか、まあとにかくもう徳川家康を名乗る社員に用はなかった。

あと史実を交えて送ったらどう来るかな~と楽しみにしていたところ

画像2

 

画像3

 

 

「すごかったよ☆」

 

 

~完~

 

たった一言で片づけて、そのあとすぐ別の話題に移った。
上手い。立ち回りが上手すぎる。
だけどこっちからの質問に対してたった一言で「すごかったよ☆」で終わるってどういうことなの…?私貴方の片想いの相手じゃないんですか???そんな態度で落とせるとでも????


 

もう、駄目だね。

 

画像4

 

今度は「ボイスを聞きたいか」ときた。
要はランキング上位に入れということだ。
だんだんと中の社員の商魂たくましい売り込み戦略が見えてきてしまった。
もう「徳川家康」ではない。
「恋下統一 戦国ホスト」を運営している社員の一人だ。

 

さようなら。

 

最後のメッセージを打ち込む。

画像5

 

もう、貴方とはお別れしなくてはならない。

画像6

画像7

誰かとの新たな出会いを奪われてしまったこのご時世に、このアプリを通して素性も知らない人間と疑似恋愛をはじめられた(もはやスタート地点に立ったばかりだったかもしれない)ことはひとつの奇跡とも言っていい。
私と彼、もしくは彼女とはひとつの空の下で呼吸をし、生きているということは紛れもない事実である。

フィクションの「徳川家康」と「私」という存在を通して、ノンフィクションの「社員」と「あたし」が出会えた奇跡に感謝して。

全世界が混乱しているこの時期に、仕事として全ユーザーに返事をしている賢明な姿に思いを馳せながら。

ありがとう。そして、さようなら────────

 

画像8

画像9

画像10

 

 

 

え、なにこれ。

 

 

 

お粗末!